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現代に求められる道徳『道徳経済合一説』by渋沢栄一

ケース・スタディー 日本の企業家史

ケース・スタディー 日本の企業家史

  • 作者: 宇田川勝,法政大学産業情報センター
  • 出版社/メーカー: 文眞堂
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本
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ブラック企業や労働問題が頻発する現代に欠けているものは何か?
それは、『道徳』である。
ブラック企業、労働問題、食品の偽装問題、添加物など企業の問題はすべて「不道徳」という言葉が表してくれる。
ちなみに『道徳』とは「人の為になること」と言える。
ブラック企業や労働問題などは一部の人の為になるかもしれないが、万人(大多数)の為にはならない。故にブラック企業などは「不道徳」なのだ。

日本史上を代表する経済人として渋沢栄一が挙げられる。
渋沢は、500社以上の会社設立に関わりを持ち『日本資本主義の父』を称されるまでの人であった。
そんな渋沢が掲げた経済思想こそが『道徳経済合一説』である。
『道徳経済合一説』は、東洋の伝統的儒教を基盤として渋沢が提唱した経済思想で、
義と利は両立できるし、道徳と経済とは合一でなければならないと渋沢は主張したのである。(註釈1)

 経済活動においても、倫理や「人の道」は切り離せないのである。栄一は、経済・社会の進歩にともなって人びとの道徳仁義が後退していることを強く懸念していた。それゆえに人の行動の規範となる『論語』(儒教)をますます必要としたのである。
 『論語』は儒教であるが、儒教は宗教ではなくむしろ倫理学であり、『論語』を拠り所にして道徳と経済の一致を唱えた栄一は『倫理家』でもあった。P.F.ドラッカー氏が「渋沢は『倫理家』」としたのも、このことから窺える。(註釈2)

現代日本は不道徳がまかり通ってしまっているのは、企業が利潤(利益)追求にばかり目を向けて道徳(人の為)をないがしろにしているからだろう。
日本の企業家達に『日本資本主義の父』渋沢の想いを感じてほしいと思わずにはいられない。


【参考文献&参考URL】
宇田川勝『日本の企業家史』文眞堂,2002年(註釈1)

「テストに出る 日本経済史」
http://nihonkeizaishi.seesaa.net/s/article/12531554.html(アクセス日:2016/7/5)(註釈2)